スカイファング外伝



という訳で、アン武さんに影響されてちょっとだけ更新。
以前までの内容はスカイファング本編のDataフォルダのスカイファング外伝にまとめてたり……
うん、ちゃんと今度クリーンナップして上げなおしますねorz


後、内容が微妙に飛んでいますがこのエピソードが終わるころにはちゃんと前回に
つながっている……と思います多分。




エピソード4 # 戦場(1)


「くそっ、ついていないな。本当についてない!」


リュウはそう叫び、手短なシングルアイをナイフで切りつけた。
中を漂う4メートルほどの人間の眼球を思わせる外観を持った化け物が音にならない悲鳴を上げる。
無論今の彼は生身ではなく、人の十倍の体躯を持つ人類最強の機動兵器アサルトランサーに乗った状態である。
カオスティアは通常兵器で撃破できるものの、中型以上のサイズの個体と生身で戦うことは不可能に近い。


だが、アサルトランサーは違う。
人型と呼ぶには歪な、しかし四肢を持ち人と同じように武器を操る事が出来る天槍は
一般的なカオスティアを圧倒し、戦闘機一小隊に匹敵する戦闘力を持つ騎士級カオスティアとも互角に戦う事が出来るのだ。


「しつこい、落ちろっ!」


ナイフを逆手に持ちかえさせて、駄目押しの一撃を放つ。
辛うじて原型をとどめていたシングルアイが赤い血の霧を撒き散らしながら中に消え――
る前にその霧を触手が突き破って、リュウの乗る機体に襲いかかって来た。


「かわせない!?」


タイミングは最悪、燃料を気にして推力を最低限に絞って行動していたのが仇となった。
今からエンジンの出力を上げ、移動し始めるよりも前にその触手は機体に届くだろう。
もし仮に、リュウの機体がただの戦闘機であったなら彼の命は此処で尽きていたかもしれない。
しかし、彼が駆るのは人を模したアサルトランサーであり


「なら、受けるっ!」


その手に持ったナイフで触手を弾き、エンジンの出力を最大限に引き上げる。
コゥ――という高い音が響き、彼と彼の愛機は血霧の向こうから攻撃してきた相手に突撃を開始した。