連載小説『スカイファング外伝』



という訳で、スカイファング外伝二話…… というよりもむしろ世界観解説です。
多分これを読めば原作プレイしてない人も大体内容を把握できるのではないでしょうか?
あ、アサルトランサーとか、この世界独自の兵器については戦闘時に解説する予定なので
なんか人型っぽい戦闘機的な何かと現時点では認識していただいて問題無しです。




虚空を歪め、突如としてこの世界に現れたそれは。
瞬く間に世界最大の軍事大国であったアメリカ合衆国を崩壊させた。


その間わずか一ヶ月。
本土での核使用すら容認し、アメリカ国民の60%を死滅させ。
それでもなお、"それ"は滅びることが無かったのだ。


倒せないほど強力な存在であった訳ではない。
確かに戦闘機を圧倒する個体も存在したが、戦術で覆せる程度の差でしかなかった。


無論、核を使えば簡単に焼き払え、弱い個体に至っては歩兵装備で十分に対抗できた。


ただ、数が。単純な物量の差が。
全ての戦闘、戦術、戦略行為を無意味なものにしたのだ。


そのあまりに絶望的な、虚空から無数にあふれ出る侵略者を
人類はカオスティアと呼称し、カオスティアに対抗するために
WGF(ワールドガーディアンフォース)を設立しする。


米軍の残存兵力を主力としたその軍隊は、東西の、南北の
ありとあらゆる国家が軍隊を動員した、人類史上最強の軍隊であったと言えただろう。


だがしかし、その最強の軍隊にどれほどの意味があったというのか?
数度の戦闘の末に、WGFとカオスティアの間の戦争は終局を迎える事となった。


WGFの完全敗北という、最悪の形で。


第三次東京攻略作戦、アメリカ壊滅後世界各地の大都市に出現した
カオスティアの群れの中でも最大級である東京上空に出現した群れを
殲滅するためにWGFの総兵力の60%を投入して行われたこの作戦は。


未帰還率80%以上。手薄となったWGF本部への敵の奇襲と壊滅という
最悪の結果を生み出すこととなった。


絶望はそれだけで終わることは無かった。
本部が呼び司令部に切り替わる前に、世界中で同時多発的にカオスティアが大量発生し
指揮系統は完全に寸断され、それ以後は絶望的な抵抗が散発的に続き……


そこで、パタンと細い指によって、崩れかけた手帳が閉じられた。


「欝になるわね、こういう遺書みたいな物を読むのは……」


それは、白衣を着た女だった。けだるげに見える表情をしている。
深夜の実験室でパソコンのキーボードを叩いているのが似合う
そんな雰囲気を纏った女だ。


だがしかし、ここは実験室ではなく陸上戦艦(ランドホバーシップ)の司令室であり
周囲とのギャップが、妙な違和感を発生させている。


「それは同感ですわ、シズナさん。負け犬の泣き言なんて読んでいても面白くないですし」


それに答えるのは、オペレーター席に座った女だ。
長髪の美人といってもいい顔立ちをしている。
ただし、その目は空ろに中を見ていて壊れた人形を連想させる。


「ねぇ、ユウジロウさん?」


そういって女は艦長席に座っている"モノ"に話しかける。
そのユウジロウと呼ばれた"モノ"は……


・選択肢
1:無数のパイプに彩られた、辛うじて生きているといえる肉だった。
2:かつて人だったと思われる、人の形をした乾いた残骸だった。
3:シズナが知っているユウジロウさんでは無い"何か"がいた。


ちゅうわけで選択肢です。
なんかまともな選択肢が存在しないのは多分仕様。
これでヒロイン候補の謎のオペレーターさんの属性が
決定するかもしれないので、気軽に選んでください。


投票無しで一週間過ぎた場合、自動的に次回が最終回ということで。